備前市日生地区は牡蠣の生産量が岡山県で一番多く、カキオコで全国的にも有名ですが漁協が中心となって近年衰退してしまったアマモ場を再生させ海の生態を豊かにする活動も行っています。
毎年6月頃に漁協の好意でちぎれて海に漂っているアマモを回収したものを頂き、鶴海なすの株間にどんと置いています。
アマモは落ち葉などに比べてミネラルをたっぷり含んでいるので、しっかりナスに吸ってもらっておいしいナスになってもらおうと思います。
秋になればカラカラになってしまいますがそれをさらに他の有機肥料と一緒に発酵させ翌年のナス植付時の元肥として使うことでアマモに含まれる養分を余すことなく使っています。
アマモは種を付ける晩春〜初夏にかけてちぎれて海に漂うのですがあまり大量に漂うと船のスクリューに絡まったり少し厄介な存在になってしまいます。
それを回収して鶴海なすの栽培に有効に活用していこうという事です。
昔はアマモを肥料としてよく使われていたようですが今ではアマモを持ってくること自体が重労働で、そもそもアマモ自体が生息地が減少して貴重になってしまいました。アマモをどのように活用していたかの記録もあまり残っていない中試行錯誤が続きますが、昔の農作業に思いを馳せながら、海のめぐみで美味しいナスになりますように栽培していこうと思います。
里山里海の資源の循環を図るとともに環境にやさしい栽培を目指していきます。
アマモはかつて(1940年頃)まで日生を中心とした近海で至る所で生育していましたが高度成長期を迎えると浅瀬の減少、海の汚染等の影響でアマモは急劇に減少していきました。それに危機感を覚えた日生漁協の漁師が自主的にアマモの種を撒くという取り組みをした結果現在は回復しつつあります。
アマモは海の生態系の安定に大きく関わっておりアマモが回復するにつれ牡蠣や近海の魚の漁獲量が安定してきているそうです。
また日生漁協の先進的な取り組みは国内外から注目されていています。